グレーゾーン金利解説 その1
2006/09/10(日)
近頃は新聞の社説等でも「グレーゾーン金利」廃止の話題が出てくる等、キャッシング利用者はもちろん、世間一般にもその名称が知られるようになってきました。
その一方で、国民生活センターが先日まとめた調査報告によれば、多重債務者の90%以上が、グレーゾーン金利について正しく理解していなかったそうです。特にこれからキャッシングを利用しようという方には必須の知識になりますので、今回はグレーゾーン金利を簡単に解説します。
まず、金利について決めた法律は日本に2つあり、1つは「利息制限法」、もう1つは「出資法」と呼ばれます。
利息制限法では、貸金業者がお金を貸すときの上限金利を15~20%に制限しています。これを超えた金利は無効ですが、残念ながら違反しても罰則がありません。
次に出資法では、同じく金利の上限を29.2%に定めています。これを超えた金利で貸し付けると5年以下の懲役または1000万円以下の罰金というペナルティがあります。
この利息制限法の上限(最大20%)と、出資法の上限(29.2%)に挟まれた間にある「違法だけど罰則がない」金利のことを、グレーゾーン金利と呼ぶわけです。
現在、キャッシングサービスを提供している会社の多くが、このグレーゾーン金利で貸付を行っています。20%を超える金利でも、借用書を発行する等の条件を満たしていれば有効な金利と見なされる(「みなし弁済」と呼びます)ため、こうした違法な貸付が出来てしまうのです。
有効とはいっても違法な金利ということに変わりはありませんので、弁護士等がきちんと資料を揃えて裁判を起こしたりすれば、基本的に消費者金融の側は「受け取りすぎた利息」をユーザーに返還しなければなりません。今は全国のあちこちで利息返還を求める集団訴訟などが起こされているのをニュースで見た方も多いでしょう。
また、上限29.2%という金利の高さが多重債務者や自己破産する人を生み出しているという批判が全国的に高まり、それが今年に入って本格的にスタートした「グレーゾーン廃止議論」につながっていったのです。
弁護士会等、グレーゾーン金利の廃止を強くアピールする立場の人は、
・高金利が全国200万人という多重債務者を生み出している
・そもそも金利を定めた法律が2つあるのがおかしい
といった主張をしています。
反対に、消費者金融の各社としては、
・金利を一気に引き下げると中小消費者金融の経営が危なくなる
・貸し渋りが起こり、ヤミ金から借りるユーザーが増えてしまう
との考えから、金利の引き下げには慎重論をとなえています。
この両方の立場も間違いではないため、消費者金融を管轄している金融庁では、
・何年かかけて段階的に、上限金利を20%までダウンさせる
・しばらくの間、短期・少額の融資に限っては28%程度の金利を認めていく(特例金利)
といった調整案を出しています。
現在のところは、国会に法案を出すために金融庁や自民党内で話し合いが続いていますが、このあたりの詳細は次回の投稿でお伝えします。
- カテゴリ: キャッシング